エミヤ「…..何の相談かと思えば….。気でも違えたかマスター」
ぐだ男「ぬかせ真剣そのものだ」
ベディヴィエール「….話が見えません。マスター、順を追ってご説明頂けませんか?」
ぐだ男「何を!?しらばっくれよるか貴様ァ!!」
ベディヴィエール「えぇ….」
レオニダス「どうどう、マスター。まずは頭脳をクールにするのです」
ぐだ男「とうに頭脳はクールですぅ!!心は嫉妬でヒートだけどね!!!」
レオニダス「えぇ….」
エミヤ(……こんなに面倒くさい男だったか?)
『ぐだ男「人理焼却を防いだことだし存分にイチャイチャしよう」マシュ「え?」』というSSの続きのようなもの
第1部終了後に主人公とマシュが恋仲になったという設定です
細かいことは気にせず読んで頂きたい
ぐだ男「まず君たち」
ベディヴィエール「私とエミヤ殿ですか?」
ぐだ男「はい」
ぐだ男「….君たち、マシュから何て呼ばれてるか言ってみなさい」
ベディヴィエール「…..ベディヴィエール先輩、と」
エミヤ「エミヤ先輩」
ぐだ男「それだよぉ!!」
ベディヴィエール「!?」
ぐだ男「『先輩』って、『先輩』って….!!!」
ぐだ男「何オレのアイデンティティ奪ってくれてんのぉ!!!」
ベディヴィエール「えぇ…..」
エミヤ「……」
ぐだ男「いやまぁ、ベディヴィエールは分かるよ?」
ぐだ男「円卓の騎士の先輩だからね。騎士の在り方とか色々教えてるんだよね」
ベディヴィエール「そうですね。逆にレディ・マシュから学ぶことも多いですが」
ぐだ男「うんうん、理想的な先輩後輩関係だ」ウンウン
ぐだ男「妬ましいなコンチクショウ!!!」ゴツン
ベディヴィエール「えぇ….」
エミヤ「マスター、壁に頭突きをするのはやめたまえ」
ぐだ男「やっかましい!!問題はお前だお前!!」
ぐだ男「何お前しれっとマシュから先輩呼ばわりされてんだよ!!何繋がりだコノヤロウ!!」
エミヤ「繋がりと言えば….。そうだな」
エミヤ「彼女にはサーヴァントとしての心の持ち方や聖杯戦争のことなど色々説いてはいるがね」
エミヤ「あるいはそうだな…..。私が無銘の英霊であるが故に気負わず接することができる、ということもあるかもしれないな」
ぐだ男「…..何かそれっぽい理由つけてんなこの女たらしめ」
エミヤ「何だと」
ぐだ男「いやだって!!料理で女性サーヴァントの胃袋掴みにいくはカルデアの女性スタッフを口説くはやりたい放題やってんじゃん!!」
エミヤ「待て待て!前者はともかく後者に関しては全くの誤解だぞ」
ベディヴィエール(無自覚とは恐ろしい)
レオニダス(マスターもあまり他人を責められるとは思いませんがなぁ)
ぐだ男「あぁ怖い!!マシュの先輩というオレの立場が仲間に脅かされつつあるこの現状が!!」
ぐだ男「もっとチヤホヤされたいよぉ!!!!」
レオニダス「マスター、どうか冷静に。ひとまず深呼吸を」ドウドウ
ぐだ男「…….言ってくれるなレオニダス王」
レオニダス「む?」
ぐだ男「….オレが一番脅威を感じてるのはあんただよ」
レオニダス「え」
ぐだ男「だってあんた…..!!」
ぐだ男「あんたどんだけマシュに尊敬されてんだよぉぉぉぉぉ!!!!」
レオニダス「」
ぐだ男「あれは忘れもしない…..」
ぐだ男「第七の特異点であんたがスパルタについて語ってる時のあの…..」
ぐだ男「マシュの!!!!満面の!!!笑顔!!!!!!」
ぐだ男「オレにだってまだ見せてくれなかったのに….!!」
ぐだ男「初めてを!!!レオニダスに!!!!持ってかれたんだよぉぉぉぉ!!!」
レオニダス「な、なんと….」
ベディヴィエール「マスター、かつてないほどの悔しがりぶりです」
エミヤ「そうだな」
ぐだ男「レオニダスと接してるときのマシュの反応がもう、ヒーローを目の前にしてる子供そのものなんだよ」
ぐだ男「ずるい!!羨ましい!!!オレもマシュに輝く尊敬の眼差しで見られたい!!!見られたいよぉぉぉぉぉぉ!!!」
レオニダス「……」
ベディヴィエール「……」
エミヤ「…….マスター、一つ良いか」
ぐだ男「何です」
エミヤ「何故今更になってそんなことを?」
ぐだ男「」
エミヤ「マシュの態度は今に始まったワケではないだろう。我々がカルデアに召喚されて以来そのままの筈だが」
ぐだ男「そ、それは…..」
ぐだ男「……….」
ぐだ男「….マシュがお前らに奪られるんじゃないかと不安になって」
一同「「「は?」」」
ぐだ男「…..順を追って説明しよう」
エミヤ「最初からそうしてくれ」
ぐだ男「悪かったよ。….実はみんなには隠してたけど」
ぐだ男「実は先日、オレとマシュは恋人同士になってですね…..」
エミヤ(隠していたつもりだったのか)
ベディヴィエール(傍からは一目瞭然でしたが)
レオニダス(若いですなぁ)
ぐだ男「その、マシュの恋人になったことで色々と物の見方が変わったというか…..」
ぐだ男「マシュがオレには見せない態度とか表情を他の男に見せるということに我慢ならなくなったというか…..」
エミヤ「その理論で言うとランスロットもここに居るべきじゃないか?」
ぐだ男「あ、いや別にマシュに手厳しい態度を取られたいとは思ってないから。ランスロットに嫉妬とかは無いよ全然」
ぐだ男「まぁ、強いて言うならマシュにソフトにいじめられたいという願望はあるけどね」
エミヤ「一言余計だマスター」
ベディヴィエール「成程、つまりマスターお話をまとめると…..」
ベディヴィエール「レディ・マシュは『僕のだゾ!!』と仰りたい訳ですね」
ぐだ男「はい」
エミヤ「何だ今のは」
ベディヴィエール「特に深い意味はありません。お気になさらず」
レオニダス「して、マスターは我々にどうしてほしいのです?」
エミヤ「よもやマシュと絶縁しろ、などと言うのではないだろうな」
ぐだ男「言うワケないでしょ。みんなとの交流はマシュにとって大切な経験なんだから」
ベディヴィエール「では、一体どうしろと…..」
ぐだ男「オレがマシュに『ヒーローらしく』尊敬される方法を一緒に考えて欲しいです」
ベディヴィエール「何と」
ぐだ男「さぁみんなで活発な意見を交わそうじゃないか!ハイ始め!!」パン
エミヤ「………」
ベディヴィエール「………」
レオニダス「………」
ぐだ男「………」
ぐだ男「何か無いのかよォ!!!」ゴツン
エミヤ「マスター、壁に頭突きは止めろと言った筈だが」
ぐだ男「ちくしょう!さてはお前らオレのことを内心でほくそ笑んでやがるな!!」
ぐだ男「まさに滑稽なピエロだろ!?哀れで無様だろう!?」
ぐだ男「ちくしょう!!今なら分かるよ黒髭氏!!突然現れたヒロインに主人公を掻っ攫われる幼馴染の気持ちが!!」
ベディヴィエール「…..マスターがよもやここまで追い詰められていようとは」
エミヤ「恋愛とはここまで人を狂わせるものか」
レオニダス「….マスター」
ぐだ男「何です」
レオニダス「マシュ殿が私に尊敬の眼差しを向けてくださる理由、それは…..」
レオニダス「私がスパルタの戦士だからでしょう」
ぐだ男「うん」
レオニダス「つまり、マシュ殿が尊敬の念を向けているのは私ではなくスパルタの教えそのものなのです」
ぐだ男「はい」
レオニダス「マスターもスパルタの戦士となれば、自ずとマシュ殿も『ヒーローらしく』尊敬してくれることでしょう」
ぐだ男「yes」
レオニダス「導き出される結論は一つ。そう」
レオニダス「マスター」
レオニダス「裸 で 豹 と 戦 う の で す」
ベディヴィエール「ええ」
エミヤ「待て待て」
ぐだ男「それだ!!!」
ベディヴィエール「ええええ」
エミヤ「待て待て待て待て」
ぐだ男「よし、為すべきことは決まった!!善は急げだ!!」
ぐだ男「早速野生の豹とマッスルしに出かける!!後に続けレオニダス!!!」ダッ
レオニダス「応ッ!!!」
ベディヴィエール「なっ….!?本気ですかマスター!!」
エミヤ「貴方もだレオニダス!!気は確かか!」
レオニダス「えぇ、私は至って冷静。頭脳はクールそのものです」
エミヤ「気をおかしくした奴はみなそう言うのだ!!」
ぐだ男「止めようったってそうはいかないぜ!!オレは豹を倒してマシュの一番になるんだぁぁぁぁ!!!」
ベディヴィエール「そんな事をせずとも既に彼女に一番でしょうに!!」
レオニダス「『炎門の守護者(テルモピュライ・エノモタイア)』!!」ボッ
エミヤ「何っ!?」
レオニダス「ぬぅふぁはははは!マスターを追いたければ不肖この私を超えて行くのです!!」
ぐだ男「ありがとうレオニダス!!後でブートキャンプ付き合うよ!!」
エミヤ「くっ…..!!まさか貴方がこんなくだらない状況で宝具を使う英霊だったとは….!!」
ベディヴィエール「エミヤ殿、私が血路を拓きます!マスターを追ってください!!」
エミヤ「出来るのか?相手はあのレオニダスだぞ」
ベディヴィエール「やってみせますとも。お任せください!」
エミヤ「…..よし、任せる!」
レオニダス「さぁ、共に筋肉をぶつけ合おうではありませんかァ!!!」
ベディヴィエール「レオニダス王、いざ尋常に….!!」
レオニダス「勝負!!!」ダッ
ベディヴィエール「ふぅッ!!!」バッ
レオニダス「ぬぅわぁぁぁぁぁぁ!!!」
ベディヴィエール「あっ、幽霊」
レオニダス「ひゃぁあん!?」ビクッ
エミヤ「」
ベディヴィエール「今ですエミヤ殿!!お早く!!」
エミヤ「…………………………….ああ」ヒュンッ
レオニダス「ぬぅうぉぉぉぉ!!悪霊退散悪霊退散!!!」ブンブンブンブン
ベディヴィエール「ご存知ですか、レオニダス王。円卓の騎士の間では『キャメロット七不思議』と呼ばれる」
レオニダス「うおぉぉぉぉ!!幽霊こわい!!幽霊こわいぃぃぃぃ!!!」
エミヤ(マスターが向かうのは管制室。行き先が分かっていれば止めるのは容易いが…..)
エミヤ(やはり彼女に止めて貰わなければ根本的な解決にはならないだろうな….!)
エミヤ「!!」ドンッ
ジークフリート「っ!!すまない、平気か?」
エミヤ「いや、こちらこそすまない。少々迂闊だった」
エミヤ「丁度良い。ジークフリート、すまないが一つ頼まれてくれ。マシュを管制室に呼んでほしい」
ジークフリート「?すまない、話が見えないのだが….」
エミヤ「すまないが事情を説明している暇は無い!マスターの生死に関わる問題だ!!」
ジークフリート「!!」
ジークフリート「了解した…!!手間取らせてすまない!!」ダッ
エミヤ「すまない、任せる!!」ヒュンッ
ネロ「キャスター、何なのだあれは」
玉藻の前「諏訪部すまない合戦です」
ネロ「キャスター、何なのだそれは」
玉藻の前「諏訪部すまない合戦です」
— 管制室
ぐだ男「”待”ってたぜェ、この”瞬間”をよォ!!」
エミヤ「させるか!!」ガシッ
ぐだ男「ちぃっ!?もう追いついて来やがった!!」
エミヤ「サーヴァントを甘く見過ぎたなマスター」
ぐだ男「HA☆NA☆SE!!この筋力D風情が!!」
エミヤ「おっと、悪いがその程度の罵倒には聞く耳持たんな」
カルデアスタッフA「何あれ」
カルデアスタッフB「わからん」
ぐだ男「….抜かったなエミヤ」
エミヤ「何?」
ぐだ男「オレが何の備えも無くここへ来たかと思うか?あんたの妨害なんて想定済みさ」
ぐだ男「今だイシュタル!!ジャガーマン!!」
エミヤ「っ!?」ビクッ
ぐだ男「かかったなアホが!!」ゴツン
エミヤ「ぐぁっ!?」
ぐだ男「ふはは!!瞬間強化付きの頭突きは痛かろう!!オレも痛い!!!」ダッ
エミヤ(チッ、よもやサーヴァントになって顎に頭突きを貰う日が来ようとはな…..)
エミヤ「だが、一手遅かったなマスター」
ぐだ男「なっ!?」
エミヤ「….生憎と時間稼ぎはいささか得意分野なのでね」
マシュ「….そこまでです、先輩」
ぐだ男「….マシュ」
ぐだ男「まるで気付けなかった…..。一体どこから現れたんだ!?」
マシュ「はい。先ほどまで一緒にポーカーをしていたロビンさんから『顔の無い王』を拝借してきました」スッ
ぐだ男「ポーカーって….。おらのマシュが不良になっちまっただ!?」ズゴーン
マシュ「掛け金無しのクリーンな勝負なのでご心配なく!!」
ぐだ男「ちくしょうあのハンサム野郎!!ポーカーをダシにオレのマシュを口説こうって魂胆か!?」
マシュ「そこもご心配なく!!確かにロビンさんはハンサムですがわたしは先輩一筋です!!」
ぐだ男「ありがとう!!」
マシュ「恐縮です!!」
カルデアスタッフA「何あれ」
カルデアスタッフB「わからん
マシュ「詳しい事情は把握していません。ですが…..」
マシュ「後輩として、サーヴァントとして、そして恋人として…..!!」
マシュ「先輩を危険に晒すワケにはいきません!!」
ぐだ男「!!」
ぐだ男(なんてプレッシャーだ…..!!とてもサーヴァント能力を失ってるとは思えない)
ぐだ男(くそっ、見える気がする…..!!マシュの背後に『いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)』が….!!)
ぐだ男「….本当に強くなったな、マシュ」
ぐだ男「だけどオレだってここは譲れない!!何としても野生の豹を倒してキミの一番の先輩になるために!!」
マシュ「先輩まるで意味がわかりません!!」
エミヤ(ついさっき『先輩一筋』と言われているのにこれか)
ぐだ男「いくぞマシュ!!愛する後輩といえど容赦せん!!」ダッ
マシュ「……..それは全ての疵、全ての怨恨を癒す、我らの故郷……」
マシュ「…..顕現せよ…..!!」ガシッ
ぐだ男「なっ!?」
マシュ「ロォォォォォォォド!!!キャメロットォ!!!!!」ズダァン
ぐだ男「がっ…..!!」
エミヤ「….見事な巴投げだ」
エミヤ「….見事な巴投げだ」
ぐだ男「ど、どこでこんな技覚えてきたの…..」
マシュ「沖田さんから少々」
ぐだ男「さ、さいですか…..」ガクッ
カルデアスタッフA「何あれ」
カルデアスタッフB「わからん」
>>31
ミス
ぐだ男「ど、どこでこんな技覚えてきたの…..」
マシュ「沖田さんから少々」
ぐだ男「さ、さいですか…..」ガクッ
カルデアスタッフA「何あれ」
カルデアスタッフB「わからん」
— マイルーム
マシュ「では先輩、事情をお聞かせください」
ぐだ男「はい」
マシュ「どうして、野生の豹と戦うなどと?」
ぐだ男「人王ゲーティアともタイマン張れたしいけるかなって」
マシュ「先輩、わたしがお聞きしたいのは」
マシュ「『野生の豹を倒してわたしの一番の先輩になる』と仰った理由についてです」
ぐだ男「……それは」
ぐだ男「エミヤ達に嫉妬したからです」
マシュ「え」
マシュ「….なるほど、わたしの皆さんへの態度が先輩には面白くなかった、という訳ですね」
ぐだ男「……はい」
マシュ「…….」
ぐだ男「…..本当、ごめん」
ぐだ男「マシュにはこんなかっこ悪いとこ見せたくなかったんだけどな」
マシュ「…..酷いですよ、先輩」
ぐだ男「」グサリンコ
ぐだ男「….うん、酷いよな本当。嫉妬に狂う男なんか直視に耐えないよな….」
マシュ「そうではなくて」
ぐだ男「えっ」
マシュ「わたしが酷いと言ったのは、わたしに何も打ち明けてくださらなかったことに対してです」
ぐだ男「…….!!」
マシュ「今のお話を聞いて、わたしが先輩を嫌いになるとでも思ったのですか?」
マシュ「見くびらないでください!!」プンスコ
マシュ「マシュ・キリエライトは例え火の中水の中、果ては冥界まででも先輩にお供すると心に誓っているのです!!」
マシュ「やきもちの一つや二つ程度で、その覚悟は揺るぎません!!」
ぐだ男「なっ….!?程度って言った!?」
ぐだ男「オレがどれだけ悩んだと思ってるんだ!?後輩様とて許せん!!」
マシュ「それを言うならわたしもです!!」
マシュ「先輩が女性サーヴァントの皆さまに鼻の下を伸ばしているのを見てどれだけ悶々としていたとお思いですか!!」
ぐだ男「し、してないし!!オレが鼻の下伸ばすのはマシュだけだし!!」
マシュ「そ、そうですか?えへへ….//////」テレテレ
マシュ「….はっ!?その手には乗りませんよ先輩!!今のわたしは徹底抗戦モードです!!」
ぐだ男「事実を述べただけなのに!!噛みついてくるなぁ!!」
マシュ「むぅ~~~~~~っ」プクゥー
ぐだ男「ぬぅぅぅぅぅぅぅ…..」ジトー
ぐだ男「…..いや、マシュの言う通りだよな。オレが悪い」
ぐだ男「マシュに嫌われるのが怖くて、結局自分のことしか見えてなかったんだ。ホントごめん」
マシュ「ちっ、違います!!先輩を責めているわけではありません!!」アセアセ
マシュ「….わたしの方こそ、申し訳ありません。自分の至らなさを先輩にぶつけてしまいました」
ぐだ男「至らなさ?」
マシュ「はい。わたしがもっと信頼を得られていたなら、先輩を苦しませずに済んだはずです」
ぐだ男「そんな、マシュが謝ることなんてないよ。マシュを信じられなかったオレの落ち度だ」
マシュ「いいえ、ダメです。その結論ではわたしが納得できません」
マシュ「互いの信頼が欠けていた以上、わたしにも非があるのは明白です」
マシュ「わたしと先輩はパートナーなのですから。問題は一緒に解決していきましょう」
マシュ「ね?」
ぐだ男「…..マシュって結構ガンコだよね」
マシュ「当然です。シールダーたるもの強固な意志を持って然るべきですから」
ぐだ男「ははっ、ホント頼もしいな」
ぐだ男「…..ありがとう、マシュ」
マシュ「はいっ」
マシュ「でも先輩、いくらレオニダスさんの勧めとはいえ裸で豹と戦うというのは無理が過ぎますよ」
ぐだ男「….そうだね。自分でもどうかしてたと思うよ」
マシュ「そんなことをせずとも、既に先輩はわたしの一番で、とっても素敵なのですから」
ぐだ男「そ、そうかな//////」
マシュ「はい、それはもう」
ぐだ男「ぐ、具体的に言うとどんな所が素敵….?」ドキドキ
マシュ「誰よりも人間らしいところです」
ぐだ男「….というと?」
マシュ「例えば先輩」
マシュ「先ほどわたしを退けてレイシフトしようとした時、令呪をお使いになろうとは考えませんでしたか?」
ぐだ男「…..あっ!!そうか、その手があったのか….!!」
ぐだ男「そんなことも思いつかないとは…..。長いことマスターやっててこのザマかぁ」トホホ
マシュ「仮に思いついたとしても、先輩はきっと令呪は使わなかったと思いますよ」
ぐだ男「どうして?」
マシュ「だって、先輩は今までに一度たりとも『サーヴァントを服従させる』目的で令呪を使ったことはありませんから」
ぐだ男「…あれ、そうだっけ?」
マシュ「そうですよ」クスッ
マシュ「サーヴァントを一人の人間とみなし、彼らと話し合い真正面から心を通わせることで絆を勝ち得てきた」
マシュ「何にも縛られず、他者の意思を尊び、誰より暖かい心を持っている」
マシュ「先輩のそんなところが、わたしはたまらなく愛おしいのです」
ぐだ男「っ…../////」
マシュ「先輩、大好きですよ」
マシュ「…..大好き////」
ぐだ男「~~~~~!!よ、よし!!じゃあオレもマシュの好きなところ言っちゃうもんね!!」
マシュ「!!」
ぐだ男「思いの丈をぶちまけてやるからな!!せいぜい恥ずかしがるが良い!!」
マシュ「の、望むところです….!!/////」
ぐだ男「その、最初はぼんやりとした好意だったと思う」
ぐだ男「真面目でかわいいなとか、ちょっと天然ぽくてかわいいなとか、マシュマロみたいでかわいいなとか」
マシュ「先輩最後」
ぐだ男「….明確に好きって思ったのは、そう」
ぐだ男「Dr.ロマンからマシュの過去と寿命の話を聞いた後から、かな」
マシュ「……!」
ぐだ男「デザイナーベビーとして産み出されて、デミ・サーヴァントの実験台にされて、寿命もあと僅かで…..」
ぐだ男「こんないい娘がなんでそんな理不尽な目に遭わなきゃならないんだ、ってオレは思った」
ぐだ男「マシュが自分の境遇を悲観して、世界に絶望してるんじゃないかとも思った」
ぐだ男「….けど、違ったんだよな」
ぐだ男「この世に生まれたこと、今日を生きられること、ロマンやオレに出会えたこと、色んな世界に立って色んなものを見たこと…」
ぐだ男「マシュは、自分を取り巻く全てのものに感謝をしていた」
ぐだ男「なんて綺麗な心なんだろう、って思ったんだ」
マシュ「先輩…….」
ぐだ男「マシュの何かを愛したり、慈しんだりする心がオレは大好きだよ」
ぐだ男「あ、もちろん他の所も大好きだけどね!!外見とか声とか仕草とか…..」
マシュ「~~~~~~~!!!!」ダキッ
ぐだ男「わっ!?//////」
マシュ「~~~~~~~!!!!」ギュウウウ
ぐだ男「マシュ!?どうしたの」アセアセ
マシュ「….すみません、この喜びを言葉では表現できなさそうなので」ギュウウウ
ぐだ男「ま、負けんぞ」ギュウウウ
マシュ「….先輩」
ぐだ男「何?」
マシュ「以前、ブーディカさんと玉藻さんが教えてくださったんです」
マシュ「『互いの弱い部分を見せあい、それを受け入れ合うのが真のパートナー』だと」
ぐだ男「良いこと言うなぁあの二人」
ぐだ男「…..険しそうだね、真のパートナーへの道は」
マシュ「ええ。ですが望むところです!」
ぐだ男「もちろん!最終目標は『アイコンタクトだけで戦闘・炊飯・掃除・談話ができる』関係だもんな!」
マシュ「はいっ!」
マシュ「…..ふふ////」
ぐだ男「どうしたの?」
マシュ「いえ、その、何だか嬉しくて」
マシュ「…..先輩と初めて口論をしてしまったのが」
ぐだ男「….そういえばそうだね。初喧嘩だ」
ぐだ男「ん??喧嘩したのが嬉しいの??」
マシュ「はいっ。他人と口論するなんてわたしにとっては初めての体験ですし、何より…..」
マシュ「先輩と真正面から感情をぶつけ合えたのが、わたしにとっては何より嬉しいんです!」
ぐだ男「…..」ダキッ
マシュ「わぷっ」
ぐだ男「マシュのそういう所、本当大好き」
マシュ「….♪//////」ギュウウ
ぐだ男「….という訳で、皆さまには大変ご迷惑をお掛けしました。ごめんなさい」ペコリ
マシュ「わたしからも。申し訳ありません」
エミヤ「….反省はしているようだな。マスター、くれぐれもマシュに感謝しておくように」
ベディヴィエール「最悪の事態を避けられて良かったです」
ジークフリート「気の迷いなど誰にでもある事。マスター、あまり気に病まないで欲しい」
ロビンフッド「しかし裸で豹と戦えなんざ….。おたくも無茶言いなさんな」
レオニダス「無理などではありません。そう、冷静な頭脳と鍛え抜かれた筋肉があれば」
ロビンフッド「しっかしマスター。こうして見ると嫁さん同伴の謝罪会見にしか見えねーですぜ」
ぐだ男「よっ!?////」ボフン
マシュ「なっ、何を!?////」カァァァァ
ロビンフッド「へーへーお熱いこってすねぇ。ホラ、あんたもなんか言ってやんな」
ジークフリート「…….。すまない、気の利いたジョークが思い浮かばない」
ロビンフッド「あんたが謝罪してどーすんだ」
エリザベート「会見!?いま会見って言ったわよね!?アタシの新曲発表会見のことでしょ分かってるわよもーこの欲しがりマネってば!!」
ロビンフッド「どっから湧いて出やがった」
レオニダス「ふむ、どうにか一件落着ですな」
エミヤ「….まったく、貴方も大した食わせ者だ」
レオニダス「む?」
ベディヴィエール「マスターをレディ・マシュに止めさせるために一芝居打ったのではありませんか?」
エミヤ「やるならもう少し安直な方法にして貰いたかったがね」
レオニダス「ははは、それは買いかぶりというものです」
レオニダス「マスターを豹と戦わせたいと言ったのは本心ですし、幽霊を怖がったのも本心です」
ベディヴィエール「…ご無礼をお赦しください」
レオニダス「お気になさらず」
レオニダス「しかし、如何に身体が万全であろうと頭脳が冷静でなければ勝てる戦も勝てなくなるというもの」
レオニダス「今回の一件で、マスターにもそれを改めてご理解頂けたことでしょう」
レオニダス「次こそは!!冷静な頭脳とぉぅ!!!万全の筋肉を以てぇ!!!ン裸で豹と戦うのですぅァ!!!」
エミヤ(そこは譲らないのか)
–翌日
ぐだ男「くぁ~っ、やっぱレオニダスブートキャンプは応えるなぁ」
マシュ「はいっ、今日も素晴らしい訓練でした!!」
ぐだ男「…..マシュって結構マゾっ気有るよね」
マシュ「まっ!?ひどいです先輩!!」
ぐだ男「あぁ、でも思い返すと実際そうだよな…..。マイルームで2人きりのときなんかそれはもう」
マシュ「先輩最低ですっ!!!」ポカポカ
ぐだ男「はははは」
信長「おうおう、今日も飽きずにじゃれ合っとるのう」
沖田「聞きましたよ~マシュマロさん!マスター相手に見事な巴投げを極めたそうで!!」
ぐだ男「え、何それ広まってんの」
ネロ「うむ!丁度そこにマシュと手合せしたいと言っておる者が」
ケツァル・コアトル「お姉さんとルチャの時間デース♪」
マシュ「ケツァル・コアトルさん!?」
ケツァル・コアトル「私が認めた暁には、シールダー改めルチャブラークラスにチェンジしまショーウ!!」
ぐだ男「ルチャブラーて」
信長「わしらがエクストラクラスにチェンジしたら何になると思う、沖田」
沖田「そうですねぇ~」
ネロ「3人揃ってぐだぐダーと見たぞ」
沖田「こふっ!?」
信長「言いよったな貴様ァ!!」
ぐだ男「….あれ?3人って、オレも入ってる?」
ネロ「当然よな」
マシュ「そ、そんな。太陽の女神様とのお手合わせなんてとても畏れ多いです」
ケツァル・コアトル「ざーんねん!今の私は一介のルチャブラーなのデース!!女神の私は休暇取ってベガスに行ってマース!!」
ぐだ男「どこで覚えたのそんなジョーク」
マシュ「あ、あのですね!?わたしの技はルチャ・リブレではなく柔道で….」
ケツァル・コアトル「異種格闘技戦!!燃えてきましたヨー!!」
マシュ「あああ、どうあってもルチャブる方向に….」
ぐだ男「やろうぜマシュ!!俺が指示を出す」
マシュ「せ、先輩が傍にいてくださるのなら…..」
ケツァル・コアトル「あらあら?そちらも負けじとアツアツデスネー」
沖田「いやぁマシュマロさんの成長ぶり、技を伝授した沖田さんは嬉しいですよ…」ホロリンコ
信長「何じゃ、お主がマシュマロに教えたのか」
沖田「ええ!刀を失っても戦えるようにと、ある程度鍛えていましたから」
信長「巴投げ…。柔道の技か。うむ、マシュマロによく合っとるのう」
ぐだ男「あ、信長もそう思う?まさに『柔よく剛を制す』、シールダーそのものって感じだよね」
信長「….ん?あぁ、そっちの方か」
ぐだ男「信長のはどっちの方」
信長「いやホラ。マシュマロだけに『柔』道ってことじゃろ」
マシュ「」
沖田「う、上手いことを言いましたねノッブ….。はっ!?まさかマシュマロさん、そこまで計算済みで私に教えを請いに!?」
マシュ「言い掛かりです!!それとマシュ・キリエライトです!!!!そこまでマシュマロで定着させたいのですか!!」
沖田「大丈夫ですよ~、もう定着してますから」
マシュ「」
ぐだ男「ノッブ」
信長「うん?」
ぐだ男「お前天才」
信長「是非もないよネ!あのマシュマロを目の当たりにすれば」ピシガシグッグッ
マシュ「先輩!?」
ネロ「…….」マジマジ
ケツァル・コアトル「どうしマシター、皇帝サン?さっきからダンマリデース」
ネロ「…..マシュよ」
マシュ「はい」
ネロ「….何というかそなた、最近…..」
ネロ「艶めかしくなったな!」
マシュ「」
ぐだ男「」
信長「言われてみれば….。以前より一層マシュマロに拍車が掛かっとる気がするのう」ジロジロ
ネロ「つくづくマシュマロとしか言わぬな信長公」
沖田「何というか…。色香が増したような気がしますね」ジロジロ
ケツァル・コアトル「大人の階段を上ったのデスねー!!高さを上げるのは良いことデース」
マシュ「あの、あまり見ないでください…./////」
ぐだ男「……….」
マシュ「先輩最低です」
ぐだ男「視線を送るだけでこの言われ様」
沖田「100歩譲ってもいやらしい目線でしたよマスター」
ぐだ男「」
ネロ「よし、マシュ!!早速余と湯浴みに向かおうではないか!!」
マシュ「えっ」
ぐだ男「」
ネロ「いわゆる裸の付き合いというやつだな!!何やら体を動かした後のようであるし問題なかろう」
マシュ「ちょ、ネロさん」
ケツァル・コアトル「ナルホドー、裸でルチャブるのも一興デスね!」
マシュ「ブレませんねケツァルさん!?」
ぐだ男「ちょっ、待っ」
信長「折角じゃしわしらも付き合うとするか」
沖田「えぇ~、良いんですか?この面子だとノッブ大敗北じゃないですか?どこがとは言いませんけどねフフフ」
信長「なっ!?言っとくがわし脱いだら結構凄いんじゃが!?じゃが!?」
信長「このわびさびの黒軍服から解き放たれた柔肌!!お主のような万年太もも丸出し人斬りサーの姫とはありがたみが違うわ!!」
沖田「こふっ!?言いましたねノッブ!!今日こそ付けますか決着を!!」
信長「是非もなし!!」
ぐだ男「あの、ねぇ」
信長「あ、その前にマシュのマシュマロをばっちり確認せんとな」
沖田「そうですね」
ぐだ男「」
マシュ「ね、ネロさん!そんなにくっ付かないでください////」
ネロ「何を照れておる?まったく愛い奴めぇ」ムギュムギュ
ぐだ男「…..あのぉ」
マシュ「せ、先輩!?せんぱーい!?ヘルプミーですせんぱーーーい!!!!」
ぐだ男「………..」
エミヤ「どうしたマスター?そんな所で呆然と」
ぐだ男「エミヤ」
エミヤ「何だ」
ぐだ男「どうしてオレって女の子じゃないんだろう」
エミヤ「」
ぐだ男「マシュに気安くセクハラができるあいつらが妬ましい」
エミヤ「いい加減にしろ」
完
マシュ→主人公の妬きもちは公式創作で充実してるので
その逆がもっと増えてもいいと思います
もっと増えてもいいと思います
読んでくれた人サンクス
アポクリファの放送超楽しみ
こういうのでいいんだ、こういうので
乙
コメント
これマシュの幕間?
なんだろうこの、(暗黒微笑)とかついてそうな古の文を思い出し寒気がする文体