今回の水着イベント前半や今までのイベントのネタバレ、本編の勝手な妄想や設定捏造があります。
それが許容できる方はどうぞお楽しみください。
――――YARIO村
ランサー「お前あの女にちょっかいばっかだしてるじゃねーか。ちょっとは興味あんだろ?」
小次郎「拙者はあくまでタラスク殿と打ち合えればそれで十分でござるござる」ハッハッハ
ランサー「別に変に隠さなくていいだろうに。野暮な真似はしねーから、酒の肴にどうだよ」コト
小次郎「……ふむ、ではスカサハ殿の事も聞かせてもらうぞ? 私一人だけというのは不平等であろう?」
ランサー「師匠の話なんざしても面白くないと思うがな……。まあいい、その条件で乗った」トクトク
小次郎「ふむ、ではなにから話したものか――――」ゴクリ
私がマスターに竜殺しと持てはやされている最中、その聖女は現れた。
浪漫殿曰く、祈りだけで竜を屈させ騎乗することのできる者なのだと。
ランサー「あれ? 拳じゃねーの?」
小次郎「私は学も無ければ神も仏も知らぬものでな。結局のところ、その是非のところは本人しか分からぬことであろう」
その時の聖女の姿は、酷く疲れているように見えた。
無理もなかったように思う。
あれは呪われていた。
壊れた聖女に壊されようとしていたのだから。
だがあれは――――理性を以てそれに耐えた。
耐えられなかった他の英霊達を貶すつもりは毛頭ないが、彼女の心は強かったのだと思える。
数々の英霊の理性を奪っていった狂化。
あれはそれを心だけで抗いぬいたのだから。
ならば、何も迷う事はない。やるべきことは一つだろうと理解した。
この聖女を殺そう――――もとより、私はそれしかできない亡霊ではあったのだが。
小次郎「いや? あの竜は他のサーヴァントが抑え込んでくれていたのだ。
私がしたのは――――聖女殺しだ」
私もお前と同じように、戦いに身を投じるために応じたようなものだ。
だが生憎と、荒野に咲く花に手痛い仕打ちをするほどの、鬼でもなかった。
我が魔剣を芯の臓へと向けて戦いは終わりを迎える。
私はただの一戦闘要員であったし、星が瞬くような時間の出来事。
今回の召喚に応じた彼女には、記憶の片隅にも残っていない悪い夢物語。
それだけの―――― 一夜限りの介錯。
小次郎「少なくとも、そこでマルタ殿は拳は振るわなかったでござる。完ッ!」
ランサー「はいはい、それだけじゃねーだろ? さっさと続き話しな」酒ドン トクトク
小次郎「……あいわかった。はてさて、次に彼女と出会ったのは――――」ゴクリ
ランサー「LEGENDな?」
小次郎「おっと、これは失敬」
彼女もカルデアに召喚された英霊であったようだが、無論私の事は覚えていない様子だ。
その時に、彼女はもう一人の聖人と共に行動をしていた。
名をゲオルギウスと言い、話の分かる御仁であった。
その時目の端にタラスクが映り、ふと
竜殺しとして持てはやされてはいたが、彼女の竜であるタラスクはまだ切っていないことに気がついた。
我が名刀はそれなりの業物ではあるが、聖剣と死合うだけでたわむ代物。
されども、ここでタラスクを討ち取る機会を逃すのも惜しかった。
なので私は彼女たちの旅に同行することにした。
我ながら情けない話ではあるが、この時の私は浮かれていたのだと思う。
明鏡止水とはなんだったのかと、今では笑い草だ。
けれども、それも無理はないと思う。
なぜならば――――
小次郎「―――――と」
小次郎(いかん、変なことを口走るところであった。
久しぶりに酒米なぞ飲んで、酔いが回るのが早かったか?)
ランサー「あー、今はちっと休憩中だ」
カルナ「酒を交わしながらしばしの休息か。なるほど、俺には到底考えられないな」
ランサー「へーへー、悪うございましたっと」
カルナ「すまないな、サポート要員のアイランド仮面。
余程な事でも無ければ、このように自分から言い出したことを放り出すような男ではないのだが」
小次郎「謝罪は不要だ施しの英雄よ。だいたい拙者、酒米の味見を頼まれただけでござる」
ランサー「なんだ気がついてたのかよ。
実はそれ、アンタを驚かせるために作ったんだが、まったくの無反応でな。
なんか失敗したんじゃないかとひやひやしたぜ」
カルナ「む、先に決行していたのか。気がつかなかった」
小次郎「む? なんだ、これはどっきりであったか。しかして何故に?」
ランサー「いや、お前さんには結構手伝ってもらってるからよ、ちょっとお礼にびっくりさせてやろうかなー、とか思ってたんだわ」
小次郎「……なるほど、道理で美味であったはずだ」
――――――――
――――
川
マルタ「あ、すっとこ侍」
小次郎「む? これはこれはマルタ殿。このような川に何用で?」
マルタ「こっちはあれのパトロールの様なものです。そういうあなたはなぜ?」
小次郎「水汲みでござるよ」
マルタ「……そっちに精を出すのもいいけどね、こっちの開拓も手伝いなさいよー?」
小次郎「働きたくないでござる! 働きたくないでござる!」
マルタ「駄々こねない!」
小次郎「真面目に言わせてもらうと、拙者とマスター達の畑の方針がかみ合わないのでござる。
手伝うとしても、機材運びが関の山と言ったところか」
マルタ「まあそれなりに考えての行動ならいいですけど、そう言ったんだから機材運びは手伝いなさいよ?」
小次郎「あい承った」
ズ ド ォ ン
小次マル「「――――」」バッ
マルタ「ゲッ、本当に居合わせちゃった」
小次郎「ほう、ではこの魔物があの噂に聞く」
魔猪「ブォォオオオオオ――――!」ドドドドドドッ!
小次郎「魔猪、であったか」
マルタ「アレは二人だけじゃ無理。いったんマスター達と合流するわよ」ダッ
小次郎「――――好機」スチャ
マルタ「ちょ、バカ! 私達だけじゃ無理だっつーの! 一旦逃げる――――」
魔猪「ブォォオオオオオ――――!」ドドドドドドッ!
マルタ「って、あの魔猪、一直線にこっち来てるじゃない・……!」
小次郎「猪突猛進にこちらに挑むか。よいよい、これはこれで洒落がきいている」
マルタ「逃げなさい! 小次郎――――!」
それは今生を以てして回避不能、絶命不可避の魔剣。
彼が一つの生涯を使い果たして会得した、たった一つの剣技。
小次郎「――――秘剣、燕返し!」
星の瞬くような時間の中で、その男は刀を振るう。
三つの異なる剣筋が、全く持って同時に魔猪を襲った。
その剣筋は魔猪の首を、いとも容易く切り落とす。
小次郎「我が魔剣は燕を落とす――――翼もないそなたには、酷な勝負であったか」
一人、首の落ちた魔猪に語り掛ける。
なぜだろうか。
何度も見ているはずなのに、その背中がとても――――。
小次郎「――――殿、マルタ殿?」ズイ
マルタ「……ハッ! え、ちょ、何?」オロオロ
マルタ「あ、いや、アンタってそんなに強かったっけ……?」オロオロ
小次郎「……これは本格的に頭でも打ったか?」
マルタ「え、ああ、そうかも? それは失礼、少しぼうっとしてました」
小次郎「……そ、そうか? あまり無理はしないようにな?」
マルタ「ええ、御心遣い感謝します」
小次郎「ところでマルタ殿、魔猪の死骸でちょっと大変な事になっているので、お祓いを頼みたいのでござるが」
マルタ「アンタさっき無理はしないようにって言ったわよね!?」
小次郎「はっはっは、こればっかりはしょうがないでござるぅ~」
マルタ「アンタ最近ござるとか拙者とか乱用しすぎじゃないの!?」
――――――――
――――
帰り道
小次郎「では拙者はこれにて」
マルタ「待ちなさい」ガシッ
小次郎「なんとぉ!?」
マルタ「アンタ、今回は何とか一人で片づけられたけど、この島にいるサーヴァントは限られているんです。
それなのに勝手に一人で対峙しちゃって……この件はマスターにきちんと報告して罰を受けてもらいます」
小次郎「……ほう、これは驚いた」
マルタ「? 何がよ?」
小次郎「それはつまり、マルタ殿は私を心配してくれていた、という事かな?」
マルタ「はあああ!? 当然ですぅ! 私は聖女ですから、それぐらい当然します!」
小次郎「はっはっは、そうであったな。てっきり近所のヤンキーかと勘違いしていたでござる」
マルタ「なんですってー!?」
猫を被っていようと被っていなかろうと、その心には慈しみがあった。
聖女であろうと町娘であろうと、それだけは変わらないのだろう。
ああ、それはなんて愛でがいのある花なのだろうか。
――――終り
うん、ただ小次マルが書きたかっただけなの。
ケンカップルというか、からかってからかわれるって、なんかイイヨネ。
今回のイベントで流行るといいなーと思ってます、小次マル。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
……あれ、読んでくれてる人とかいるのかな? 短すぎた……?
とりあえず、明日にはHTML化依頼スレッドとかに依頼出してきます。
追記
このスレを読んだものに次のガチャでルーラーマルタしか出ない呪いをかけた!
水着ガチャは清姫宝具5になったけどタマモ翌来ませんでした……
マルタ狙いの俺にとっては素晴らしい呪いだ!
ただ、ランサーばっかりなんだからクーフーリンって書こうぜ
引用 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471296211/
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