清姫「いったい何のことです?」
エリザ「なんとなく、なんだけど……清姫は正しく正面を見ていない気がするっていうか、なんていうか」
清姫「なんですかそれ? 何かわたくしのことをおちょくろうとしてますか?」
エリザ「そ、そんなつもりはないわよ! ただ―――」
エリザ「(戦いの前だとか後だとかに、ううん、戦ってる最中も、清姫は妙に遠くを見てる気がするのよね……)」
清姫「ただ?」
エリザ「えーっと、その……た、黄昏れてるような時間が多いなーって思ったのよ。そんな感じよ」
清姫「わたくしが嘘は嫌いだということ、貴女も十分にご存知のはずですけど……?」スチャ
エリザ「待った、待った待ったタイムぅ! そうすぐに構えないでよ、もう!」
清姫「だったら本心を仰ってください。嘘をつかず、言いたいことを、真っ直ぐに。何かわたくしに失礼なことを言おうとしているのだとしても、嘘を吐かれるよりは百倍マシです」
エリザ「……って言われても、最初に言ったことと殆ど変わらないんだけど」
清姫「ということは、どこを見ているのか、という話ですか?」
エリザ「ええ、そうなるわ。戦ってる最中、どこか遠くを見てるような気がするのよ、清姫って」
清姫「……わたくしは前を向いているつもりですけれど、俯いたりそっぽ向いたりしていましたかしら?」
エリザ「そういうわけじゃないんだけど……言い方が難しいわね」
清姫「何か言い淀むことが?」
エリザ「そうじゃなくって、ちゃんと伝えたいんだけど……言葉が見つかんないっていうか……」
清姫「……もう、煮え切りませんわね! わたくし、このあと戦いに出る予定がありますから、失礼します。旦那様が和風サーヴァントのパーティを作ると仰っておりましたから。では」
エリザ「あっ。…………行っちゃった」
エリザ「(どこか様子がおかしく見えるのは間違いないのよね……。清姫のことに詳しいサーヴァントって、誰か――)」
カルデア内、廊下にて
エリザ「あ、駄狐……」
玉藻「おやおやご挨拶ですねぇエリザベートさん。たとえこっそり呟いたつもりでも、私の狐耳は今の暴言をみこーんとキッチリ捉えておりますよ?」
玉藻「こちらもメストカゲと丁重にお呼びした方がよろしいですかねぇ、メストカゲさん?」
エリザ「ねぇアンタ、清姫と仲がいいんじゃなかったっけ?」
玉藻「……はい? なんです突然?」
エリザ「前に清姫がアンタとメールしてるとかなんとか話してたことを、いま思い出したのよ」
玉藻「はぁ。……まあ、良いか悪いかで言えば良いとは思いますよ、たぶん。ええ、たぶんです」
玉藻「たまに電波なメールや煽るようなメールも来ますから微妙ではありますけど」
エリザ「だったら、清姫の様子がおかしいって気付いたりしてないかしら?」
玉藻「……ええとですね……順を追って説明して戴けませんと、話がサッパリ見えてこないのですけど」
エリザ「あ、そうね。えっと、アタシも何か確かな証拠があって言ってるわけじゃないんだけど―――」
~エリザ説明中~
玉藻「ふむふむ、なるほどなるほど。話は分かりました。……分かりましたが」
エリザ「が?」
玉藻「ぶっちゃけ、そんなに清姫さんのことなんて注目していませんから、サッパリでございます。わたくし、こう見えて今のマスターの事も慕っておりますので」
エリザ「……ようするに子イヌのことしか見てないってこと?」
玉藻「ええ、そうです。ご主人様ほどではありませんが、今のマスターもなかなかのイケ魂。目を離すなんて天が許してもこの御狐様が許しません!」
エリザ「まあ、アンタのマスター論なんてどうでもいいのよ。確か今日って和風サーヴァントでパーティを組むとか言ってたらしいじゃない? あの子イヌ」
玉藻「ど、どうでもいいなんて、自分から振っといてこのトカゲは……! ……ゴホン! ええまあ、私にも要請は出ておりますから、赴くつもりではありますけど」
エリザ「だったら、清姫の様子を見ててくれないかしら? アタシの思い過ごしなんだったらそれでいいし」
玉藻「……まあ、そのくらいなら構いませんけれど。仲がいいとは聞きましたが、貴方がたはそこまで仲が良かったんですねぇ。ええ、良い事だと思いますよ」
エリザ「な、何よ。だって清姫は……その、アタシの……と、トモ、ダチ……なんだから、心配は、するわよ」
玉藻「―――おや、まぁ。貴女の口から友達なんて単語が飛び出すなんて。タマモ、不覚にもちょっと可愛いとか思っちゃいました」
エリザ「う、うるさいわね! あーもう! やっぱり駄狐なんかに頼むんじゃなかった!」
玉藻「ま、いいでしょう。虚心坦懐。今の貴女の恥じらいが報酬ということで、戦闘に集中しながら清姫さんのこともバッチリ観察しておいてあげますとも」
エリザ「え、ほ、ホントに!?」
玉藻「ええ、狐に二言はありません。そのくらい、造作もありませんしね」
玉藻「……しかし、やはりご主人様はイケ魂な方ですねぇ。あのエリザベートさんがこんな子になるなんて」
エリザ「は? なんでそこでアンタのご主人様とやらが出てくるわけ?」
玉藻「おっと失礼。失言でございました。深い意味はありませんから、お気になさらず」
玉藻「―――おや、そろそろいい時間ですから準備しなくては。それでは、また後ほど」
エリザ「あ、うん。くれぐれも頼んだわよ!」
ロンドン クラーケンウェル
玉藻「(さてさて、エリザベートさんに言われたこともありますし、戦闘前に軽く様子見の挨拶でもしてみますか)」
玉藻「おや、清姫さん。こうして一緒に戦うのは久しぶりですねぇ。もっとも、肩を並べるようになったのはカルデアで出会ってからですけど」
清姫「そうですわね。玉藻さんとは長い間、メールのやり取りしかしていませんでしたけれど」
清姫「なんだか思った通りの方でしたから、安心したような、新鮮味が無かったような、そんな気分でした」
玉藻「おやおや、それはそれは。完全な姿をお見せ出来ないのが残念です。そちらでしたらきっと大層驚いていただけましたでしょうに」
清姫「……その姿は、きっと見ることがない方が平和な気がいたしますわね」
玉藻「ま、ごもっともです。あんな姿で大立ち回りするなんて、わたくしの人生で一度きりで十分でございますから」
玉藻「それにしても、清姫さんは思っていたよりも可愛らしかった、というこちらが抱いた初対面の印象を出すタイミングが失くなっちゃいました」
清姫「あら、そんな言葉なら何度でも言ってくださって構いませんよ?」
玉藻「いえいえ、例え事実であろうと、そう何度も口にするものではございません」
玉藻「陰徳陽報、目立たない所でこっそりと、しかし大胆に清姫さんの可愛さを喧伝させて頂きます」
清姫「ふふ。では、そのように」
玉藻「(……ふーむ。にこりと微笑んでおられますが、今の所そこまでおかしな様子もありませんねぇ。もしや戦闘中だけに出るーとかいうやつでしょうか)」
~戦闘開始~
玉藻「(さて、エリザベートさんが気になったポイントその一は、と)」
清姫「ふう……こちらには時間の余裕などないというのに……仕方ありませんね」
玉藻「(うん? 目つきが変わりましたかね……? ま、戦闘時にそうなるのは他のサーヴァントでも誰かしら居そうですが)」
玉藻「(そも、時間とは。……はて、今回の戦いは別に急いでいるわけでもなかったはずですが)」
金時「フォックス! まず俺から行くから頼んだぜ!」
玉藻「ああ、はいはい。存分にぶん殴ってくださいまし。できれば私が動かなくてもいいくらいに」
金時「いい度胸じゃねぇか! それじゃ、遠慮無く派手にやるとすっかねぇ!」
玉藻「(さて、戦闘中の清姫さんのご様子は、と)」
清姫「―――――」
玉藻「(きちんと前を、向いてはいるようですが……あの瞳、どこか虚ろな感じ? 覇気がないというか? なんでしょう、この違和感)」
金時「フォックス、今だ!」
玉藻「はいはい。……炎天よ、奔れ――!」
~戦闘終了後~
玉藻「こーんなの、朝ごはん前です」
金時「いっちょ上がりだぜ、マスター」
玉藻「この程度で苦戦してちゃ、たかが知れているというものでございましょうが」
金時「……あー、次は俺、牛若丸と交代すっから」
玉藻「どうぞどうぞ。信仰、嘘ですものね」
金時「つ、疲れただけだっつの!(両脇に女がいて落ち着けるかよっ!)」
玉藻「そうですねー。どうぞごゆっくりお休みくださいましー」
金時「なんだよその言い方……まあいい、じゃあな」
玉藻「はいはい」
玉藻「(……戦闘終了後もどうとかエリザベートさんは仰ってましたが、さて?)」
清姫「…………」
玉藻「(黙って前を見つめて……こうして見ると本当に美少女なんですけどねぇ彼女)」
清姫「ああ―――」
玉藻「……」
清姫「また安珍様が―――――」
玉藻「(安珍様……? それは確か、かつての清姫さんの想い人の名? それがなぜ此処で……?)」
清姫「遠ざかって――――――」
玉藻「………………ははぁん、なるほど」
牛若丸「む、玉藻殿。どうかされましたか?」
玉藻「いえいえ、なんでもございません。さ、続けて頑張りましょうか」
牛若丸「私は今回の敵とは相性があまり良くないので……よろしくお願いします」
玉藻「そうですよねぇ。金時さんってば空気読んで我慢してくださいって話ですよ。あ、でもでも、精一杯サポートさせていただきますから、ご安心ください」
玉藻「(さて、エリザベートさんにどう報告しますかねぇ……)」
パーティ終了後、帰還した後のカルデア内にて
エリザ「あ、お帰り玉藻」
玉藻「……ただいまと素直に言わなきゃいけないことが違和感なんですけどぉ。エリザベートさん、ちょっといい子になりすぎじゃありません?」
エリザ「ど、どういう意味よ!」
玉藻「いえいえ、深い意味はございませんとも。ただいまでございます。それでですね――」
エリザ「何かわかったのね!?」ズイッ
玉藻「ど、どうどう。落ち着いてくださいまし。気づいたことはあります。ただし、これが正しいかなんて私には分かりません」
玉藻「ですので、やはり貴女が直接、清姫さんに伺うのが一番よろしいかと」
エリザ「……分かったわ。それじゃ、教えて頂戴」
玉藻「はい、それでは。と言っても、私がこれから話すのは昔話です」
エリザ「昔話?」
玉藻「ええ。大事な大事な、昔話です」
玉藻「その物語……いいえ、その『伝説』の名は―――」
後、カルデア内の別の場所にて
エリザ「あ、清姫ー!」
清姫「……大きい声をあげないでくださいますか!? ほら、『なんだまたあのコンビか』みたいな目で見られているじゃないですか!」
エリザ「そんなのどうでもいいわよ! ちょっと来て! とりあえず……子イヌの部屋でいいわね」グイッ
清姫「ちょ、ちょっとエリザベート!?」
エリザ「話があるんだけど、人目があったりするの嫌だから。子イヌの部屋を借りるわよ」
清姫「わたくしはそんな二人っきりで話すことなんてないんですけど!」
エリザ「アタシがあるんだからいいの! それに……それに、アンタのためでもあるんだから」
清姫「……貴女のそれは信用ならないんですけれど。前回のこともありますし」
エリザ「あ、あれは置いときなさいよ!」
※前回のこと↓
エリザ「悩みがあるんだけど」清姫「……はあ」
ぐだおの部屋
エリザ「子イヌ、ちょっと部屋借りるからアンタは出といて」
ぐだお「!?」
エリザ「いいから、言うこと聞くの! それとも何? 乙女同士の会話をじっくり観察したいっていうの、アンタは」
清姫「…………ちょっと、本当に出て行っちゃったじゃありませんか、旦那様。しかも結構慌てながら」
エリザ「いいのよ、大事な話なんだし」
清姫「何なんですか、さっきから……これで下らなかったら今度こそ許しませんわよ。今回は旦那様にも迷惑をかけていますし」
エリザ「大丈夫、ちゃんとした話だから。……それじゃ、単刀直入に聞くけど、清姫」
清姫「な、なんですか……」
エリザ「―――貴女、戦うのが辛かったりしない?」
清姫「…………どうしてそんなことを?」
エリザ「忘れがちだけど、アンタってバーサーカーなのよね。でも意思疎通はちゃんと出来る。だったら、どこかに狂化の影響が出ていないとおかしい」
エリザ「しかも、ランクはEX。これはもう、他の多くのバーサーカーがそうであるように、理性がある方がおかしいランクよね」
エリザ「でも、清姫に理性はきちんとある。なら、狂化の影響は理性以外の何処かに確実に出ている。だとしたら、アタシが感じた戦闘時のアンタの違和感」
エリザ「そこにこそ、狂化の影響は出ていたのよ」
清姫「だとしても、なぜ戦うのが辛いのかなんて疑問が出てくるんでしょうか。狂化されているなら、それこそ戦いたくてウズウズしているというのが正しいでしょう?」
エリザ「清姫に限ってそれはないの。だって」
エリザ「―――――だって貴女は、戦う度に『その日の光景』を見てしまうから」
清姫「っ!?」
エリザ「……当たってるみたいね」
清姫「それ、は……」
エリザ「嘘は言わないわよね?」
清姫「…………」
エリザ「安珍・清姫伝説。極東の昔話なんて詳しくは知らなかったけど、玉藻に聞いたわ。安珍という僧に一目惚れした清姫が、思いを遂げようとしたけど」
エリザ「安珍はそれに応えなかったどころか、約束を破って裏切った挙句に嘘を吐き、逃げ出した」
エリザ「清姫は焦がれて焦がれて、悲しくて悲しくて、憎くて憎くて……」
エリザ「結果、鐘楼に隠れた安珍を、清姫はその身を大蛇に変えて焼き殺してしまうお話。……そんな、恐ろしくて、でも悲しいお話」
エリザ「本来なら清姫、貴女は戦えるはずなんてないのよ。ただの一人娘だった少女に、戦う力なんてあるはずがない」
エリザ「その、たった一度の、想い人を葬った伝説が昇華して、戦えるようになっているだけ」
エリザ「なら、サーヴァントとして常に戦えるようになるためにはどうするのか」
エリザ「『その日』を、思い出すしかない。再現するしかない。―――安珍を追いかけた、その日を」
エリザ「戦闘開始時に時間の余裕が無いって言うのは、安珍を追いかけている最中だから」
エリザ「戦闘後に安珍が遠のいていくって言うのは、何度でも戦うためにその安珍を殺しきるわけにはいかないから」
エリザ「きっと、強烈な幻覚だとか、そんなレベルじゃないはずよ。狂化の影響すべてが、その一点に集中されているんだったら」
エリザ「だったらそんなの……そんなの、辛くないはずないじゃないっ!!」
エリザ「そんな、一番苦しかった日を、その夜を、何度も何度も味わうなんて、地獄そのものじゃないの……! なんで、言ってくれないのよ……!」
清姫「エリザベート……」
エリザ「アタシは、アンタに友達って言ってもらえて本当に嬉しかったの! だから……だから貴女にも何かしてあげたい!」
エリザ「一言! たった一言でいい! 辛かったって、苦しかったって、そう言ってくれたら」
エリザ「辛くて苦しくて、戦いたくないなら……全部アタシが代わりに―――」
清姫「いいえ、エリザベート。それは違いますわ」
エリザ「えっ……?」
清姫「辛いという気持ちは、確かにあります。あんな日は、何度も経験するものじゃありませんから」
エリザ「だったら―――!」
清姫「でも。今のわたくしがそうまでして戦うのは、旦那様のためです。そしてそれは、今ここにいるわたくしが本心から望んでいる役割」
清姫「安珍様だとか、その昔話の伝説だとか、関係はないのですよ」
清姫「ただ、旦那様のために戦いたいから。だから、辛くはあっても、戦いたくないなんてことは、決して無いのです」
清姫「たしかにわたくしは、旦那様と安珍様を重ねて見ている部分はあります」
清姫「それでも、わたくしは理性あるサーヴァント。別人だということは、きちんと理解しております」
清姫「……まぁ、旦那様が安珍様の生まれ変わりかもしれないというくらいには考えておりますけど、それもあくまで希望に過ぎませんから」
清姫「ですから、わたくしが戦うのは、旦那様がそれを望んでいるから。サーヴァントとしてのわたくしの力を、頼ってくださるから」
エリザ「清、姫……」
清姫「戦いに出るたび、かつての光景を繰り返す。こうして此処に来て、初めて戦うことになって、それを知った時、正直絶望いたしましたわ」
清姫「それでも、わたくしは、やっぱりここまで戦い続けてきて良かったと思っています」
清姫「後悔はありません。……いいえ、無くなりました、という方が正しいですね」
清姫「だって。―――今日この瞬間、報われましたから」
エリザ「え……?」
清姫「かつてのあの日を繰り返すという、地獄のような戦いを過ごしてきた日々は、ひた隠しにしてきましたけれど」
清姫「それを暴いてしまって、心配してくれて」
清姫「その上、それが辛いなら自分が全部代わりに戦う、なんて、素敵なことを言ってくれる。そんな」
清姫「―――――そんな大切な友達が、見つかったのですから。サーヴァントとして戦い続けてきて、本当に良かった」
エリザベート「…………清姫ぇ!!」ガバッ
清姫「はいはい、抱きつかないで下さいますか。旦那様に見られたくありませんから、こんな光景……」
エリザベート「だって、だってぇ!!」
清姫「ふふ、もう……わたくしまで、ぐす、貰い泣きしちゃうじゃありませんか」
エリザベート「ぎよ”ひぃ”め”え”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”!!」
清姫「……せっかくの美声が台無しですわよ。それと…………ありがとう、エリザベート」
エリザベート「うわあああああああああん!!」
ぐだおの部屋の前にて
マシュ「あれ、先輩。自分の部屋に耳をくっつけて何を――って、せ、先輩!? なぜそんなに号泣してらっしゃるんですか!?」
後日
エリザ「……なーんか最近、やたら一緒に戦うわね」
清姫「明らかにあの日の後からですわね。旦那様、変な勘違いをしていらっしゃらなければいいんですけれど……ハッ!」ドーン
エリザ「あ、ちょっと! 今のソイツ、アタシが倒そうと思ってたのに!」
清姫「何を言ってるんですか貴女は」
エリザ「前に同じ個体にピンチにさせられたことがあったから、リベンジしたかったのよ!」
清姫「知りませんよ、そんなの。ほらほら、まだ敵はいるんですからそっちを倒しなさいな」
エリザ「っていうか戦闘前にソイツ倒したいって話したじゃないの!」
清姫「ああもう、うるさいですわねこのドラバカ娘は! 戦闘なんですから臨機応変に戦えばいいでしょう!?」
エリザ「約束破ったのはそっちじゃないの! 何よこのアオダイショウ!」
清姫「それが約束だなんて言ってませんでしょうに! ただ貴女の願望を貴女が口にしただけじゃありませんか!」
エリザ「それでも聞いてたのはアンタでしょ、このヒャッポダ! 気を利かせてくれるのが友人ってもんじゃないの!?」
清姫「ヒャッポダなんて呼び方をする友人に利かせる気なんてありませんわよエリマキトカゲ!」
ぐだお「…………」
玉藻「……犬猿之仲もかくやの光景でございますが、喧嘩するほど仲がいいとも申しますし……アレはアレでいいのではないでしょうか」
玉藻「(それに、今の清姫さんはもう、あんな光景は見ずに戦えてそうですしね)」
玉藻「(推測でしかありませんけど……もう、清姫さんは戦う覚悟が決まったのでしょう。自身の旦那様のため、そして友人のため)」
玉藻「(だからもう、そんな光景には頼らずとも戦えるようになった、と)」
玉藻「美談ですねぇ。美談なんですけどねぇ……」
エリザ「こうなったら勝負よ! どちらが上か白黒つけようじゃない!」
清姫「いいですわね! オルレアンでうやむやになった勝負、今こそ決着をつける時です!」
エリザ「いくわよ、清姫!」
清姫「いきますわよ、エリザベート!」
玉藻「……あー、あれはさすがに止めましょうかねぇ。でもま、一撃分だけ様子を見てからにしますか」
ぐだお「!?」
エリザ「いやぁっ!」
清姫「シャァァァァァァァッ!」
終わり
最後の清姫はもう、狂化の影響はきっと全部ぐだおへの愛に傾くことでしょう
満足したので多分もうエリザと清姫のお話はお終いです、メルトリリスが欲しいです運営に届けこの想い
きよひー使い続けるの一瞬躊躇ったけどやっぱ頼らせてもらうことにする
>>23
うわー、嬉しいコメント!
ありがとう、きよひーを大事にしてやってください
他の方もコメントありがとう!
きよひーを育ててなくてすまない
代わりにエリちゃんを育てるから許してほしい