亡き王女のためのパヴァーヌ
オベロン(プリテンダー)装備時のみ
自身がフィールドにいる間
味方全体に〔秩序〕特攻状態を20%付与
イラストレーター
東山雄勢
解説
秋の森の王女は恋をした。
生まれながら死体のようだった王子に恋をした。
森の仲間たちが王子の出現にはしゃぐなか、
ただひとり、遠くから見つめていた。
王子が立ち上がり、その心を垣間見た後も、
王女の心は変わらなかった。
捨てられた妖精たちの吹きだまり。
妖精國の底辺だと笑いながら、王子は決して、
住む家を秋の森から変えなかった。
良いことをした後は丹念に森の川で手を洗っていた。
悪いことをした後は汚れた翅のまま落ち葉に倒れた。
王子はブリテンのすべてを嫌っていた。
妖精たちも、秋の森の仲間たちも嫌っていた。
けれど
「神様じゃないんだ。
放っておいても消える連中までは、手に負えないさ」
王子が本当に嫌っているものを知って、
王女は、
最後まで王子のために羽ばたくことを胸に秘めた。
それが唯一、冷え切った手足を温める火だと信じて。
◆
これは語られなかった断章。
大嘘つきが隠し通した、誇り高い、ある王女の物語。