魔王の手向け
織田信勝(アーチャー)装備時のみ
自身がやられた時に自身を除く味方全体の(信長)に回避状態を付与(2回・3T)
イラストレーター
東山雄勢
解説
とある寺の墓前に手向けられた一輪の彼岸花。
城下で遊び疲れた帰り道、川べりで語るその話は奇想天外にして気宇壮大。
凡庸な己などにはまるで思いもつかない新しき天下の形。
なにより落ちてゆく陽を受け、紅く燃え上がるように煌めくその瞳に心を奪われていた。
いつまでも、いつまでも、そこで笑っていたかった。
いつまでも、いつまでも、そこで泣いていたかった。
いつまでも、いつまでも、そこで共にありたかった。
だが時代が、戦乱の世が、彼を取り巻く全てがそれを許してはくれなかった。
何故、己はこうも愚鈍にして無能なのか。
何故、己はその瞳に適う才を持ち得なかったのか。
何故、己はこの背を追い続ける事すら出来ないのか。
なればこそ、かの者を貶め阻む全てのモノを除き
かの者を照らす焔の贄となし、己が身すらもその業火に投げうつ事しか出来なかった。
のちに神仏衆生の敵と畏れられ
魔王と呼ばれしかの者の道行きを定めた一輪の徒花。
―――あとはお任せします、姉上。
ああ……、でも出来ることなら
もう少し姉上と遊んでいたかったなぁ……。