ウェイバー「そうはいってもな・・・」
舞弥「確かに音はそっちの方からしました」
切嗣「この会食の席で放屁などするとはありえないな」
綺礼「まあ待て。嘘と決めてかかるのはよくない。隣に座っていたのは時臣しでしたね。どうなのです?」
時臣「私ではないよ。常に余裕をもって優雅たれを家訓とする遠坂家の当主がそんな真似をするわけがない。それに私も隣から音がするのを聞いた」
龍之介「ってことはやっぱあんたが・・・」
雁夜「ち、違う!俺じゃない!」
ケイネス「そら見たことか!」
時臣「フッ・・・(私がおならをした犯人だとバレなくてよかった)」ニヤリ
雁夜(ときおみぃぃぃいいい!!よくもハメてくれたなぁあああ!!!)
璃正「ふむ・・・。この状況からすると、間桐君がおならの主・・・ということになるが・・・」
雁夜「待ってくれ!俺はやってない!信じてくれ!」
切嗣「そうは言ってもな・・・。アイリ、君はどう思う?」
アイリ「本人が否定するのだから、彼は違うんじゃないかしら・・・?」
雁夜「アイリさん・・・・」パァァ
時臣「見苦しい」
雁夜「なんだと・・・?」
時臣「見苦しいと言ったのだ間桐雁夜。この期に及んでなお己の罪を認めない・・・。君は魔術師としての恥さらしだ」
雁夜「とぉぉおぉきぃぃいいいいおぉぉぉみぃぃいいぁぁあ!!!お前が・・・お前がやったんだろうがぁぁあああああ!!!」
時臣「な、何をバカなことを・・・」オロオロ
ケイネス「聞けば間桐雁夜、君は魔道の道を一度は捨てたという。私は君よりも遠坂の当主を信じるがね」
ウェイバー「むっ・・・。待ってくれ。そう一方的に決めるのはおかしい!間桐さんの言い分も聞こうよみんな!」
龍之介「ふ~む・・・。確かに、俺の直感はときおみさんが怪しいって言ってる・・・」
舞弥「らちがあきませんね」
綺礼「よろしい。ではこの場は私が取り仕切らせてもらいます。もちろん公正にします。どうでしょうみなさん」
切嗣(言峰綺礼・・・。奴は信用に値しないが、正直こんな面倒事には関わりたくないからな・・・)
切嗣「ああわかった。僕は異論はない」
アイリ「切嗣がそういうのなら私も彼に任せるわ」
舞弥「私も同意です」
ウェイバー「だけど、彼は遠坂の門下にいたこともあるんだろ?一方に有利な裁定を下すってこともあるんじゃないか?」
龍之介「なるほど」
ケイネス「何をバカな。魔術師同士が身内に甘いとはいえそれはありえん。それに、聖職に席を置く者が嘘をつくとも思えん」
ウェイバー「そ、そうか。神父様、すみませんでした」
時臣(ホッ・・・)
雁夜(神父が遠坂に加担するとは思えない・・・。いや、今はこの汚名を晴らすことだけ考えよう・・・)
時臣(念の為、綺礼君にはアイコンタクトをとっておこう)ジーッ
綺礼(わかっています時臣し。貴方がそんなことをするはずがないと)
時臣(よし、通じたみたいだな)
綺礼「では、今から二人にはこの用紙にサインをしてもらいましょう」
ウェイバー「あ、あれは!」
ケイネス「セルフギアススクロールか!」
龍之介「俺には何が何だかさっぱりなんすけど」
アイリ「人の行動を制限させる契約書のことよ。でも、一体どんな内容だっていうの・・・?」
切嗣「確認のために僕が目を通させてもらおう。どれ、内容は・・・・・・・。これは!?」
舞弥「どんな内容だったのですか?」
切嗣「未来永劫に渡っておならに関してのみ嘘をつけなくなるっていう内容だ」
時臣(あ、あわわ・・・)ドキドキ
雁夜「なるほど、これならもう嘘はつけなくなるぜ時臣ィ!さあ、サインしようじゃないか」
綺礼(時臣し、私は貴方を信じています・・・)
時臣(常に余裕をもって優雅たれ・・・。この状況をどう脱する・・・!?)
時臣「いいだろう。さて、サインを・・・・ハ、ハ、ハックショ(炎よ焼き払え ボソッ」
龍之介「おわっ、契約書が燃えちまった!?」
アイリ「なんてこと!これじゃあサインができないわ!」
雁夜「時臣ィ!貴様ぁあああ!!」
時臣「おっと、くしゃみのはずみで炎の魔術が暴発してしまったようだ。失礼」
ウェイバー「でも、ありえるのかそんなこと?」
ケイネス「十分にありえる話だ。優れた術者なら詠唱無しで魔術の行使を可能とするし、遠坂ほどの名家ならなおさらだ」
切嗣「しかしまいったな・・・。スクロールが燃えた今、どうするっていうんだ?」
時臣(よし、乗り切った!)
綺礼「安心しろ衛宮切嗣。こんなこともあろうかともちろん予備は用意してある」スッ
雁夜「さすが見定め役を買うだけのことはある。時臣、今度こそサインしてもらうぞ」
時臣「わかっている」
時臣(ぐぬぬ、予備を用意しておくなど余計な真似を・・・。しかし一体どうすれば・・・)
時臣(令呪を使用する・・・。英雄王よ、王の中の王よ。どうかこの状況を打開すべく、この場にあるセルフギアススクロールを全て消滅させてはいただけないでしょうか?)
ギルガメッシュ(その為に令呪を使うというのか?)
時臣(はい)
ギルガメッシュ(フハハ、面白い。よかろう、我が至高の宝剣を抜くに値する。行くぞ!天地乖離す開闢の星!)ボヒュン
綺礼「な・・・!?セルフギアススクロールが突然消失した!?」
時臣(英雄王よ・・・。感謝いたします・・・)
ギルガメッシュ(何、造作もないこと。我が宝剣、エアの能力を局所的に利用したまでのこと。あの場のアホウ共には何が起きたかわかるまいよ)
時臣(英雄王・・・、一生ついていきます・・・)
ウェイバー「一体何が起きてるっていうんだ・・・」
ソラウ「ねえケイネス、もう帰りましょ?何だか気味が悪いわ」
ケイネス「わかった」
雁夜「ま、待ってくれ!まだ俺の疑いが晴れたわけじゃないだろう!?」
アイリ「でも、私も何だか気味が悪いわ・・・。ねえ切嗣、私たちも・・・」
切嗣「そうだな。舞弥、運転を頼む」
舞弥「わかりました」
雁夜「そんな・・・・」
龍之介「せっかく面白くなりそうだったのにこれじゃ興醒めだよ。帰ろ帰ろっと」
ウェイバー「よく考えたら誰がおならをしたかなんて、この広い世界に比べたらどうでもいいことさ。僕も帰って勉強しないと。それじゃ」
雁夜「くそぅ・・・、俺じゃない・・・、俺じゃないのに・・・」
綺礼「参りましたね」
璃正「うむ、この場に残ったのは我々四名のみ」
雁夜「くそぅ、くそぅ・・・・」
時臣「ははは、そう気を落とすな間桐雁夜。よかったらこの後飲みにでも行かないか?もちろん私のおごりだ」
雁夜「俺を貶めておきながらよくもそんな口をきけたものだな時臣・・・・。許さない・・・・お前だけは絶対に・・・・!」
時臣「濡れ衣だよ。それに、許さないならどうするね?君では私に傷一つつけられんよ」
雁夜「そいつはどうかな・・・・」ワサワサ
時臣「ひゃあ!毛虫ぃ!?」
雁夜「毛虫だけと思うなよ!そらそらぁ!」
時臣「あわわ、ゴキブリにゲジゲジまで・・・。怖いよぉ・・・」
雁夜「ハハ、いいざまだな時臣!せいぜい無様に醜態を晒すがいい!」
時臣「うぅ、怖い怖い・・・英雄王・・・、私を助けてはくれないのですか・・・?」
ギルガメッシュ『たわけ!我を虫けらごとき相手にするような雑魚と一緒にするでない!』
雁夜「ところで気付いているか時臣?ここ、聖堂教会には格マスター達が使い魔を放っていることを。お前の今の姿も、みんなに見られてるってことさ!」
時臣「なん・・・だと・・・」
雁夜「それだけじゃない!見ろ、時臣ィ!」
葵「幻滅したわ・・・」スタスタ
時臣「ま、待ってくれ・・・」
凛「最低・・・。この魔術師の面汚し・・・」テクテク
時臣「い、行かないでくれ凛・・・」
桜「・・・・・・・・・」スタスタ
時臣「せ、せめて何か言ってくれ・・・・。うわ、うわぁぁあああああ!!!!」
雁夜(令呪を三角も使ってバーサーカーに変装させてやらせただけのことはある。これで俺は聖杯戦争敗退だが、お前も終わったな、ときおみ)
時臣「うぁああ、うわぁあああああ!!!!!」
その後、廃人となった時臣はすぐさま切嗣によって狩られることとなる
未亡人となった葵は雁夜をよりどころにし、桜、凛とともに幸せな人生を送った
ちなみに桜が学校のギョウチュウ検査で引っかかり虫下しを飲んだら間桐臓硯は死んだ
そう、全て幸せに、丸く収まったのだ
凛「パパ、何考えてたの?」
雁夜「昔の思い出さ・・・」
桜「お父さんったらお年寄りみたい」
葵「うふふ。ねえ、貴方、今日はどこに行きましょうか?」
雁夜「みんなと一緒なら何処へでも。ああ、幸せだ・・・」
完
乙
乙
コメント